当社は秋田県の最重要課題の一つである若者の県内定着のため、県内の学校や研修機関の職場見学を積極的に受け入れています。当社の業務内容や職場環境を体験して実際の現場で働く社員の声を聞くことで、仕事のやりがいを感じてもらい地元企業への理解を深めてもらえる機会をご提供しています。

　2025年5月14日、能代市立能代第二中学校2年生21名が総合的な学習の時間における職場見学として当社向浜工場を訪れました。学習テーマを「まちづくりを通して地域の人と関わる」として、秋田市での職場訪問活動を通して職業について学ぶとともに、まちづくりや地域活性化のために取り組んでいる人々の思いや願いを知り、自分たちにできることについて考えることを目的としています。
　はじめに合板の仕組みをオリジナル鍋敷きにふれたり、単板3枚を重ねて折り曲げる体験をしたりして合板の構造や強度の秘密を理解してもらい、当社の事を知ってもらう時間を設けました。
　その後2グループに分かれて工場内を見学。原木置き場を走るホイールローダー、ロータリーレースから単板がベルトコンベアで搬送される様子、単板を接着剤で貼り合わせる工程、合板を圧着させるプレス機などその機械の種類の多さと規模の大きさに圧倒され驚く生徒たちの様子がありました。

　工場内や育苗ハウスから戻った生徒たちに全国有数の森林県である秋田、生徒たちの地元である「木都能代」にふれながら秋田県の森林資源の豊富さや伐って、使って、また植えるという森林サイクルの重要性を伝えました。そして日本の森林の再生への貢献、地域社会への貢献当社が大切にしている2つ貢献についても説明しました。
　能代第二中の生徒達がまちづくりや地域活性化のための取り組みを知る今回の機会に、当社の地域貢献に対する考え方や取り組みをふれて地元秋田の企業に興味を深めて、秋田で働くことを考えるきっかけとなれば幸いです。

　2025年5月16日には秋田林業大学校（秋田県林業トップランナー養成研修）2年生10名が当社向浜工場に訪れ視察研修を行いました。
　はじめに将来的に原木の素材生産に従事する研修生を前に当社の概要を説明して、原木を加工して製品化する流れや合板生産量トップクラスの工場のスケール感を学んで欲しいと伝えました。また30センチ四方の単板3枚重ねて折り曲げる体験を通して、合板の構造や強度に理解を深めてもらいました。

　工場見学では秋田の林業・木材産業を担う研修生に対して、森林で伐倒した原木が合板という製品になるまでに様々な工程を経ていることを各工程で詳細な説明が行われました。学校で学んでいる素材生産、木材加工の現場を目の前にした研修生達は真剣な眼差しで説明を聞いていました。

　見学後の質疑応答では工場1日で生産される合板の量、主な取引先についてなど質問を受けました。また「素材生産について木を伐る際に配慮する点は？」という将来を見据えた研修生らしい質問もあり、原木を預かり加工する立場から、伐る長さや径のサイズに留意することを伝え、これからの現場作業で経験を積みながらサイズ感を覚えていって欲しいと回答しました。
　当社には秋田林業大学校修了生が複数名在籍しており、これまで何度もインターンシップなどの研修も受け入れてきました。「国の宝は山なり、山の衰えは即ち国の衰えなり」として秋田杉の保護と育成に尽力した秋田藩家老の渋江内膳政光の言葉を理念とする秋田林業大学校。森林資源の適正な管理・利用を通じて木材利用を推進する当社にとってもその理念は重く、今後の林業・木材産業の成長のため秋田林業大学校を今後もサポートしていきます。